山崎ハコ!
A-29
古株の女性シンガーソングライターだけど、僕にとってはまったく馴染みのないミュージシャン。でも今、僕はこの人の『BEETLE』という新曲の虜と化した。
昨日、車の中で昼飯を食っていて、ラジオでこの曲を耳にした。聴いている最中から心が焼けるようだった。帰宅するなりネットの音楽ダウンロードで購入しようとしたが、どこも販売していない。早く熟聴して、この発火しそうな想いを鎮めたいのに…。なんでオンラインで売らないの!
そして今、CDショップで買ったこの曲をすみからすみまで喰らいつくように聴いている。
僕は48歳の佐賀の生まれ。山崎氏はやや「先輩」の大分生まれ。「暗い曲」を唄う女として知られているようだが、そんなことはどうでもいい。九州がこのようにしなやかで美しい恋愛歌を創り出す人間を輩出したことに誇りを感じている。
でも、この唄は単に恋愛歌として美しいだけじゃない。そう思う。限界集落化が都市部にさえ忍び寄り、芸人が故郷へ舞い戻り「どげんかせんといかん」と政治に首を突っ込む時代の社会性と確実に共振しているのだ。
ふるさとは東京 そういうあなたは
淋しいふりも 気取りもない 都会のビートル
謳われているのは、都市と地方社会の矛盾の中で結びつき、生き延びようとする愛のようだ。
(納期間近の仕事を抱え、歌を聴いて涙している暇はないのだけれど、とりあえずトイレで声を殺して泣きました。^^;)