美味
小原あき

美味しそうな楽しみがあったので
夫と半分こして食べた
牛乳パンのようにほんのり甘く
甘いものが大好物の夫は
半分になった楽しみを
美味しそうに食べている
その頬が幸せを含んで
ぷくり、としていたので
堪らなく美味しそうに見えた
だけど、何よりも大切な夫なので
その頬だけは食べてしまわないようにしようと
残りの楽しみを食べながら
見つめていた





自由詩 美味 Copyright 小原あき 2008-03-07 18:59:49
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