ワールド・ワイド
nm6

よるべない、ぼくらのよるの、来るの来ないの、どうするの。黒々と落ちてゆく直前、ピピピピピもうすぐ電池が切れてしまうよ。雲間から光の線、部屋の灯りから落下する紐、午後に揺れる森、少しだけ空いたふすま、理科の教科書のスリット、スナックの空けかけた袋、きみのシャツの胸元、きみのシャツの胸元、雲間から光の線。スターバックスの女神が、マクドナルドに曲がる黄光が、攻めてくるのは車道で、クライマックスに守っているのはひとたちだ。ピピピピピ、ひとたち。飛んでまわって電波が、ぼくらはひとたちでよるべない、さて来るの来ないの、どうするの。さえぎるのは電池と壁だけで、しゃべっている。世界中に咲くのが光なら、ぼくらはひとたちでよるべない、けれどもいつまでもしゃべっている。「いま、大丈夫?」


自由詩 ワールド・ワイド Copyright nm6 2008-03-06 17:17:54
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