奇跡のカンパネラ
こゆり

深い深い記憶の奥
絡み合う蔦の
苔むした石橋

深緑に輝く水に
めくり上げた素足を浸し
木漏れ日に目を細める二人
手をとり
見上げ続ける

僕らはいつも一緒だった
それぞれが
特別な存在だった

いつから
佇んでいたのか
深い眠りにつく
もうずっと昔から

静かに
誰にも
気付かれることなく


僕らはいつも一緒だった

それぞれが

特別な存在だった


やさしい旋律は
弧を描き
引き離していく
それぞれが連ねた輪
近づけては
遠ざけて

僕らはいつも一緒だった

弧は
廻り
重なる
導かれ
再び
この場所へ
呼び戻す

深い深い記憶の奥
絡み合う蔦の
苔むした石橋

木漏れ日に目を細め
見上げる石橋

奇跡のカンパネラ

やさしい旋律に乗り
二つの影が
揺らめき続ける


自由詩 奇跡のカンパネラ Copyright こゆり 2008-03-04 20:59:10
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