限りなく透明 限りなく闇
紫音

落ち逝く星

一条の光

貫く闇の裂け目に

踊る少年


笑顔

ささやき


少年は笑う

何事もなく

何も考えず


ただ

それは氷

冷たく

そして透き通る


白き肌に

浮き上がる血潮


何を問う

何を語る


知らないこと

無垢なこと


ビルの向こうに

かすみ消えゆく

今日


歩むほどに

失われてゆく


穢れと汚れに

染まり沈む


少女は見る

遠い先の道標


少年と少女

血が刻むワルツ


死にゆく命

詩に逝く心


語り手は聞き手

かくては逝きて


傷を負い

痛みを開き


少年は言葉とともに

少女は鮮血とともに


欲しがることが

欠けてゆくことと


気付くころに

墜ちて逝く



白紙の日記



灰色の記憶



褐色の明日








黒色の夢





そして





無色の生






開かれゆく

    扉に鍵を


自由詩 限りなく透明 限りなく闇 Copyright 紫音 2008-03-03 19:50:07
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