葦の原の
田代深子




みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおまえにやろう
つるりとしたおまえの
肩にふっさり犬たちは
豊かな尾をかける
赤金と黒銀の
すこしくこわい毛皮の尾
おまえをくるむ
ときわのみどり葦の原は
虫がおり
鳥がおる
それらいきづき
あそびまいらせ
犬たちのもりにねむり
みどり児のまくらに
あけの河の流れる




       田代深子
       2002.12.26




自由詩 葦の原の Copyright 田代深子 2003-04-02 18:21:31
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