*類人猿より少しだけ不幸な人類*
かおる


昼夜を問わず、働いているあたしたちは
お天道様と一緒に
寝起きしているおさるさんより
少しだけ不幸せなのかな

凍えるような寒さが緩み
やっとぽかぽかしてきたら
今度は花粉症が猛威を振るい、
息苦しいので
大気圏まで出たくなってしまうあたしは
ヤッパリどこか間違っているのかも

明けていく夜空に
白んでいく月の柔らかさに
ホッとため息をひとつ

降ってくるような満天の星空よりも
数えられるネオンのぬくもりの確かさに安堵し
空を彩る夕焼けの紅さ
その色に負けない朝焼けを知っている

暗闇を押し拓いてくる強烈な光

徹夜明けで見るおひさまの
禍々しいくらいの
眩しさに目がくらむ

本当はふかふかの布団に
倒れ込みたい
だけど、
テレビドラマの主人公のように
恋しちゃったえり子の
のろけ話を聞かなくちゃ

これがヤッパリ喰えない話なんだろうと
夜中震えていた携帯メールを
チェックしながら思う

そう、後でふて寝をする事になるだろうけど
ひきこもってなんかいられない

直立してミュージックを聞いていたおさるさんより
美味しそうにバナナを食べる自信はない

でも、驕ってもらうランチとケーキに
スーパーチョビッとハッピネスを噛み締めている



自由詩 *類人猿より少しだけ不幸な人類* Copyright かおる 2008-03-02 14:39:39
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