由志キョウスケ

傘を持っていたけれど
わざと濡れて帰りました。

一片の隙間も残さずに
体中がぐっしょりと濡れて
重たくなりました。

見えていますか。

濡れるのはイヤじゃないって
自分に言い聞かせていました。

見えていますか。

ランドセルが肩に食い込んで
とても重たいのです。

見えていますか。

傘を持っていたけれど
わざと濡れて帰った
わたしの顔が

あなたに

あなたに
見えていますか。


自由詩Copyright 由志キョウスケ 2008-03-01 15:40:58
notebook Home