如月銀河
本木はじめ



空中に浮かんだ花を掴みたい無理して夢を壊してみせて



顔の無いひととたくさんすれ違う朝のホームに溢れるひかり



階段があるなら上がる本当は下っているとわかっていても



弁当の時間バシバシ衝突すごめんね左利きでごめんね



梅の香を嗅ぐきみ見つつ悲しみに包まれ風は冷えゆくばかり



寝違えが治るまで待つ天窓に降り初む雪を目で追いながら



思い出が紫色に発光す昨日昆虫図鑑で見た蜘蛛



青色のカーテン降りてさようなら夕闇だらけの冬の屋上



会わずにはいられないとか汚れたねいつかもいちど透き通るまで



しりあすな状況苦手知らぬ間に三月グッバイ如月銀河





短歌 如月銀河 Copyright 本木はじめ 2008-03-01 13:17:46
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