月空の夜光虫
たりぽん(大理 奔)
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか
太陽、秘めた声
心灼きながら
生まれ続ける
聞いて、聞いて、
僕が照らすものよ
僕が照らすものよ
月、孤独な日記帳
二度と読まれない
残される轍がある
君は求められて、そして求めている
照らされる空の、そこにあることを
見えるものだけが
世界とは信じない
暗闇にも花は咲く
求めればいい月よ
あなたを照らして
心、灼きながらも
行方求めて
毎日を飽きもせず軌跡を描き
めぐる星でさえ同じ一日はない
言葉が月虹を照らし出して
夜が満たされる
あなたが差し入れた手で
仄めく夜光虫
誰かのためにあることを
寂しいと
いってはいけない