1989年
吉岡ペペロ

中芝でふたりすわってランチした

ハムとキュウリのサンドウィッチ

彼女のつくったサンドウィッチ

すずしくてさびしい味だった

紅茶が飲みたいといったから

正門まえのパン屋さんに走った

空は五月だった

食後の読書をこころみたけれど

まぶしすぎて文字が追えなかった



あのころみたいに自由ではない



ラブホでいっしょに試験勉強した

彼女の親友のノートをコピーしまくっていたことで

それだけではないのだけれど

なぜだか深刻な口論になってしまった


下宿で寝転んでいたら電話が鳴った

でる気がしなくてそれを見つめる



あのころみたいに自由ではない



あのころみたいに自由ではない


自由詩 1989年 Copyright 吉岡ペペロ 2008-02-28 09:08:37
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