ホット・ミルク
シュガー・ソレイユ

泣きたいのに
年齢が邪魔をして泣けない
大人顔

友人の電話に
声が滲む


人はいつをもって
大人と言うのだろう

まだわからないなんて
子どもみたい


また眠れなくなるのが怖くて
カフェオーレは我慢する

かわりにホットミルクを湯気ごと
「えい!やー!」と口に運ぶ

なぜって?
苦手だから・・・ずっと昔からずっとなの

むかし
正真正銘の子どもだった頃

お手伝いのお礼にと
ご馳走になった
喫茶店のホットミルク

「ホットミルクでいいかな?」と聞かれ
緊張の中「はい」と答えた

(喫茶店てはじめて
 大人みたいだ
 ホットミルクってなんだろう?
 ドキドキして聞けなくて
 はい って言っちゃった)

白い 真っ白い飲み物
白い湯気
嫌なにおい

(熱い 牛乳?
 うえっまずい
 でも飲まなきゃ
 おいしいって答えなきゃ
 顔 笑わなきゃ)


大人って何だろう?

今度、旧友に聞いてみようか

でも、今更恥ずかしい


今日の 白い湯気
以外にもおいしく感じて
においも とりあえずOK
甘い
何より優しい気持ちになれた


この味わかるようになったら
大人かしら

・・・くすり・・・と笑って
今夜は良い夢に慰められるとしよう

明日 いい日 
こころ 快晴
のち 
雲は真っ白
ホット・ミルク

  



自由詩 ホット・ミルク Copyright シュガー・ソレイユ 2008-02-27 22:36:41
notebook Home 戻る