ノック
たもつ

ノックをしてみる
と、きちんとノックが返ってくるので
僕は待ってる

春になって数回目の風が吹く
見上げる空の青さも
鳥の羽ばたきも
風にさらされている皮膚も
本当は多分
言葉でしか知らない

雑草とそのみすぼらしい花しかない
ただ広いだけの野原
僕と誰かとのノックの音が
小さく響いている


自由詩 ノック Copyright たもつ 2008-02-27 11:04:36
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