春 浅き・・・
アハウ
曇天の雲に
仄かに薫る
白梅
眺め
その古木の苔むした幹に軽く触れると
肌寒い風に 早春の息吹
たたえて たたえて 尚たたえつつ
梅花から 溢れている
(花びらが散るのも そんな訳
その液体のような早春は
わずかに触れた指先を蕩けさせて
しばし 私は幹になる
白梅の太陽崇拝
青梅に宿り
ゆっくり熟成する歓喜を官能する
春の嵐に梢は
ふぃーう ふぃーう と
私の知らない言語で話しかけている
老練な幹の色合いと
白梅を飾り付けたような
可憐な 白
梅花は歌い
梅花は散る
この 風の強い 曇天に