心臓
こしごえ


無垢なるいのちをみつめる光は
かげることのない心臓だ

だからそのいのちの影は
しずむことなく
みちるばかりで
月の亡霊のように 果てしがない海原をひっぱる

陸地の無い水平線上には
青白く幽かに灯る孤独を乗せた舟がいっそうゆれている
海面は
冷冷する血すじを
脈脈と反射し 無言のさざなみだのに

鼓動は今日も高鳴り
終りをしらない……
遠い視線だ









自由詩 心臓 Copyright こしごえ 2008-02-25 17:52:43
notebook Home