抱夜
一筆

誰かを抱きしめたくて
たまらない夜がある

互いの名前は知らなくていい

腕の中に温かい吐息を包んで
言葉で何かを交わすような
優しい気遣いはいらないから

飽き果てるまで貪り尽くし

夜明けを待つわずかな間に
満たせない孤独を思い知る


自由詩 抱夜 Copyright 一筆 2008-02-25 01:26:10
notebook Home