あの人がまるきり反対方向に消えてしまう
あすくれかおす


あの人がまるきり反対方向に消えてしまう



オレンジと黄緑が交差してベルが鳴り響く

みかさのみやでんか、って思ったより言いやすい

そんなどうでも良いおしゃべりを弄んでいると

あの人がまるきり反対方向に消えてしまう


誠実だってことを示そうとしたらいつも

安直なフレーズしか引っ張ってこれないよ

練習は試合の為にあるのだとコーチ

誠実でなくてもいい何か言葉を発しさないと


一番星がすごい勢いで南のほうへ向かう

あれは夜間飛行機なのでしょう

舞い散る二月が口の中に飛び込んでくるような気持ち

花びら一枚ぶんだけ正しくなりたいな


急ぎ足のメロディーがその流れを終えるとき

長い髪が山の手線外回りに吸い込まれる

ニトログリセリンって爆弾か何かなのかな

・・口から順番に吹きとんでいけばいいのだ


ああ
そしていま 


あの人がまるきり反対方向に消えてしまった







自由詩 あの人がまるきり反対方向に消えてしまう Copyright あすくれかおす 2008-02-24 22:32:01
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