走る
伊那 果
考えないで走る ひとつのことを思って走る
立ち止まったら最後 二度と走れないかもしれないもの
考えないで走る ただひたすらに走る
迷ったら最後 時の迷路は永遠
それでも感じてる ほてる体の中
めらめらと燃える一方の影で冷えていくもの
僕はひとつの問いかけをもちつづけてる
抜け出せると信じているトンネルが実は生命そのもので
解放という言葉は嘘かもしれない
一歩 上に上がることも 一歩 前に進むことも
結局大した歩みではないのかもしれない
そんないろんなことを
考えないで走る 夢といふものを思って走る
限りなく暗く そして明るい日々を走る