走る
伊那 果

 考えないで走る ひとつのことを思って走る
 立ち止まったら最後 二度と走れないかもしれないもの
 考えないで走る ただひたすらに走る
 迷ったら最後 時の迷路は永遠
 それでも感じてる ほてる体の中
 めらめらと燃える一方の影で冷えていくもの
 僕はひとつの問いかけをもちつづけてる
 抜け出せると信じているトンネルが実は生命そのもので
 解放という言葉は嘘かもしれない
 一歩 上に上がることも 一歩 前に進むことも
 結局大した歩みではないのかもしれない
 そんないろんなことを
 考えないで走る 夢といふものを思って走る
 限りなく暗く そして明るい日々を走る


自由詩 走る Copyright 伊那 果 2008-02-23 12:45:37
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