想い出が流れる川
beebee




そこは想い出が流れる川。
満水の流れは泡をも飲み尽くし流れて行く。
運命という定めは時の流れを流れ、
堰き止める何ものも無い。
わたしは流木のように、
もまれ、もまれ、流れて行く。
運命よ。
定めを越えて伝わるもの。
手を伸ばし、腕を伸ばし、指先に繋がる、想い。
滑り堕ちて行く、すり抜けて行く、記憶の欠片。
流れて行く、流れて行く、運命の流れる川。
漲るように満ちてくる潮に盛り上がる水面は、
突然の断調に大きく割れる。
運命よ。
月が昇って来るのだ。


自由詩 想い出が流れる川 Copyright beebee 2008-02-23 01:34:33
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新・純情詩集