世界(ver.stone)
竜門勇気

「そのまえにいっておくことが
ある」「きみはとてつもなくひ
らけたさぶい世界に」「いる」

漂い続けても
目眩はやまない
眼下数千キロの
透明な湖の上
膨らましてる気球
腐ってんぜってな理性
丸まるメガボール
ふざけて連続しろ
本を読みながら本を書いて
学びながら教えた

この世界は
言葉にできる
この世界は
言葉でつくる

翼を書いた
半導体の閃きと
小型集積回路の憂鬱と
液晶の輝きと
おおざっぱな暴力で

飛ぶのは君
羽ばたくのは君
その空は
君のもんさ
風の中から見てるよ

この世界は
指先でつくる
この世界は
C言語で出来てる

歩くのは君
地平を書くのは俺
世界はC言語の大地
走り回れるだろ
何か新しいことがあるよ
俺は幸せものさ
行き交う君を見てる

冷たいから
寂しいから
くだんねーいー訳すんな
暇だから
退屈だからって
このための退屈
このための時間って

世界は
君の存在なんかじゃ
ちっぽけすぎて
違和感すらねーのさ

世界初
君のすべてを
ぶち壊すシステム
ベクターイメージと雪

羽はやして走る
C言語の大地に
広大なネットとネット
道が繋がって
世界中至る孤独が
僕は
行き交う君を見てる


自由詩 世界(ver.stone) Copyright 竜門勇気 2008-02-22 23:56:55
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