黒い吐気
信天翁

  もがりぶえが急きたてるのか
子犬のように足元へまとわりつく
  プロムナードの枯れ葉たちょ
        勘弁しておくれ
    びっくりするぢゃないか
    杖をたよりのおいぼれは
            そうだ
いつになったらつかめるだろうか
おまえさんと握手するきっかけが
  あゝ 遠い昔に消えちまった
  おいらの無聊に甘えた歳月も
     悔恨に苛まれた年齢も
            そして
      いまがいまになって
   いとおしげにたばねている
     にびいろの空にうかぶ
   数えきれない虚像のかげを





自由詩 黒い吐気 Copyright 信天翁 2008-02-22 21:28:13
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