白い地平線
乱太郎

果てのないような冷たさの
季節にあって
白い六角形の粉末は
人間の傲慢を
目覚めさせてくれるようだ

横に吹き荒れる風を友にして
人の造った灰色の道を
埋めつくし
道と道でない境界線を消してしまう
そこは
動物の歩いた道と遜色なくし
まだヒトでしかなかった時代
このような道を通って
大陸から渡ってきたことを
思い起こさせる
神がいた頃だ

どこに行った
アイヌの人々が伝承してきた
その者たち
どこから見つめている
弥生の民と過ごしていた
その者たち

夏の季節
上着を脱ぐ捨てた子供が
ふきの葉をかき分ける
コロポックルが
へへへ
と笑っている
今でもあるという話だ
誰も信じないが

熊は人の世界と神の世界を
往来して
見張っている

人は人の世界で彷徨っている
吹雪のような争いをしながら


自由詩 白い地平線 Copyright 乱太郎 2008-02-21 19:03:31
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