声援
服部 剛
恋人を亡くし
自らのこころを立て直そうと
遠い旅先で
免許取得の合宿に入った君は
今日初めてのハンドルを握った
仕事から帰った僕は
君のブログの日記を読む
「ギアを間違え ががが と走り・・・」
しょっぱなの
しくじりなんぞは
にんげんらしくて
ロックです
ヴァレンタインの数日後
チョコの代わりに
君がくれたハンドクリーム
上司と部下の間に挟まれ
不恰好に立つ僕の
冷たくひび割れた手に
クリームを塗ってから布団に入る
明日も僕はかばんを背負い
「 いってきます 」と
新たな一日の玄関を開く