手がある
ましろ

たいせつな人の変化は
すべての流れにかかわっていく
血と肉を分けあった間柄では なお

かつての激流に心臓がなる

渦に飲まれまいと足を踏んばり
固く固く握りしめて
開くことのなかった この手


自分の世話を自分でする
それを出来るようにしてきたのは
手を差し伸べるためだった

分かっていた
ずっと準備してきた 
待ってさえいた
この日のため
自分のために

相も変わらずこの手は二本

けれど
準備してきた私たちは
手を差し伸べる


自由詩 手がある Copyright ましろ 2008-02-19 15:14:04
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