古い物を思い出すとき
フクロネヅミ

ブイサイン作りながら、その間に温州蜜柑を挟んだ思い出
覚えているのは僕くらいだった

クラスのみんなは大人になってて
できちゃった、できちゃったとませた増産結果を報告してる

順番とはなにか、なんて道徳的な話を
五年たってもあまり見た目が変わらなかった先生がしてて

そんな彼は後輩曰く、奥さんとうまくいってないらしい
何でそんなことを知ってるんだと、胡散臭く思うのは

その後輩が年上限定の性癖持ちだと言うこと


事前情報とはそんなもんだ
あんまアテにしてると後悔するぜ


帰るとじいちゃんに呼び止められて
小学校からずっと続く同じ注意を

もう二十歳にもなるってのにさ
道路に飛び出すな、だって

はい、どーも。


そしたらさ、ふとばあちゃんのこと思い出して
毎年三月くらいまで温州蜜柑を箱で買っては
いくつかくれてたなぁなんて

じいちゃん、たまにはいい効果だしてくれんじゃん
って、あいかわらずごつい背中に
ブイ、だしとくよ


自由詩 古い物を思い出すとき Copyright フクロネヅミ 2008-02-18 14:32:53
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