滅ぼされたオーデュボン
ゆるこ
屈折する光の中で
溶け込もうと腕を伸ばしたのは
過去と未来を行き来する
案山子に憧れてしまったから
猫の町は霜だらけで
悴んだ感情を抱き締めるのに温度が足りなくて
なぞりながら捨てようと
世界は躍起になっていた、よくおほえている
何かから離れる度
何かの言葉を忘れて
日に焼けたセピア色の残像を
片手で掴むこともできなくなった
舗装された歩道で
音を鳴らして歩いたり
24日に
贅沢をしたり
なにかを失っても
気付かなかったり
どうでもいいことを
祈ってみたり
踵のない足に
地球はのしかかる
わたしはその罪のなかから
逃れる術を まだしらない