お天気
fomalhaut
いいお天気だ
海みたいな空をちぢれ雲が航行していく
小鳥たちはおにごっこをしているし
家の前をじーさんがゆっくりと歩いていく
外はなにもかもがキラキラと輝いている
ぼくはといえば布団の中で縮こまる
ヴェルレーヌを読みながら
ああきのうも同じだった
きのうも同じだった
また今日もそのうち日が暮れるだろ
きっと明日も同じだろ
そうして知らぬ間に死んでいくんだろ
あいつは今頃楽しくやっているんだろう
ぼくはあいつが一生懸命なのをからかっていたっけ
ぼくはなにをしているのか
こうして下手くそな詩を書くぐらいしかできない
ひとりぼっちで
ひとはひとりでは生きていけない
とあいつが言ったとき
ぼくはひどく怒ったっけ
ああ心が悲しいときに
世界がこんなにも美しく見えるのはなぜだろう
ぼくをあざ笑うかのように
誰に何を言われても
偽善にしか聞こえない
流行のうたはみんな愛だ愛だと
馬鹿みたいに繰り返す
くそったれの世の中だと思ったりもするが
結局くそったれはぼくの方らしい
自分がこの世界からずれている気がする
なんでこうなのか
ぼくはただここに存在しているだけだ
今の気持ちをうまく詩にできたら
少しは気も晴れるんだろうが
ぼくには詩の才能もないのでそれもかなわない
また今日もそのうち日が暮れるだろ
きっと明日も同じだろ
そうして知らぬ間に死んでいくんだろ