お天気
fomalhaut

いいお天気だ
海みたいな空をちぢれ雲が航行していく
小鳥たちはおにごっこをしているし
家の前をじーさんがゆっくりと歩いていく
外はなにもかもがキラキラと輝いている

ぼくはといえば布団の中で縮こまる
ヴェルレーヌを読みながら
ああきのうも同じだった
きのうも同じだった

また今日もそのうち日が暮れるだろ
きっと明日も同じだろ
そうして知らぬ間に死んでいくんだろ

あいつは今頃楽しくやっているんだろう
ぼくはあいつが一生懸命なのをからかっていたっけ
ぼくはなにをしているのか
こうして下手くそな詩を書くぐらいしかできない
ひとりぼっちで

ひとはひとりでは生きていけない
とあいつが言ったとき
ぼくはひどく怒ったっけ

ああ心が悲しいときに
世界がこんなにも美しく見えるのはなぜだろう
ぼくをあざ笑うかのように

誰に何を言われても
偽善にしか聞こえない
流行はやりのうたはみんな愛だ愛だと
馬鹿みたいに繰り返す

くそったれの世の中だと思ったりもするが
結局くそったれはぼくの方らしい
自分がこの世界からずれている気がする

なんでこうなのか
ぼくはただここに存在しているだけだ

今の気持ちをうまく詩にできたら
少しは気も晴れるんだろうが
ぼくには詩の才能もないのでそれもかなわない

また今日もそのうち日が暮れるだろ
きっと明日も同じだろ
そうして知らぬ間に死んでいくんだろ




自由詩 お天気 Copyright fomalhaut 2008-02-17 10:54:23
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