地下鉄と音楽
ブライアン

地下鉄の暗い窓越しに、目を瞑ったと、音楽が聞こえた。

確かに、聞いていたはずの音楽が、より一層聞こえた。
聞こえる音楽の間で、さらにに目を瞑った。
音は、見えなかった。顔に刻まれつつある額のしわを撫でるように、
揺らす。

琴線に触れる、という言い回しは、なるほど、もっともだ、と思う。
揺られる間に、降りるべき新富町の駅に着いた。


自由詩 地下鉄と音楽 Copyright ブライアン 2008-02-16 18:16:00
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