冬の日、銃声
三奈

頭に突きつけていた
拳銃を地面に落としたら


世界が、見えた


小さく呼ぶ声、
下の名前で呼ぶ声
私はまだ、世界の一部なんだと
気づかせた



生きていくのも悪くない、だなんて
珍しく思えたのは

懐かしい声のせい?



拳銃を拾いあげて
あの空めがけて
バーン、と発砲



その時気づいた
銃弾なんか入ってなかったのね




遠くまで響いた銃声



終わりを知らせる合図

始まりを知らせる合図




もう少し




世界の一部でいる事を許してね


自由詩 冬の日、銃声 Copyright 三奈 2008-02-14 17:34:31
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