スクラップ2003
よしおかさくら

君が上を向いて
吐き出している煙

間違えて
同じ香りを身につけたみたい

喉にしみる
グレープフルーツの果汁

穴を開けてもいないのに
欲しくなる粒のピアス

気になってしかたない
視線の先

わたしの興味を知って
見ている

振り向いた顔
無言の呼掛けに気づいた

雨で濡れている背中
広く思えるのはなぜだろう

唇を歪めた、
苦し気な顔が見たい

目が合う度の微笑み
視線をそらすことに
心を砕いている

電車が揺れる度の微笑み
目を伏せないことに
心を傾けている


自由詩 スクラップ2003 Copyright よしおかさくら 2008-02-14 16:46:38
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