コンビニエンスストア
レジにバイトのオバちゃん
ビターの板チョコ1枚だけ買おうとする若い男
店内、他に お客はいない
レジ:おにいちゃん、なんでチョコレート買うねんなぁ
明日になったら ぎょうさん貰えるんやろ?
男:今日食べたいんです
レジ:一日ぐらい我慢したらどうやの?
男:いま食べたいんです
レジ:そしたら、彼女に電話してバレンタイン前倒ししてもろたら ええやないの
男:彼女いないですし…
レジ:じゃぁ、それ、オバちゃんからのバレンタインチョコレートや
持って帰り
男:お金払いますよ
レジ:ええから、持って帰り
そや
後ろにバレンタインチョココーナーがあるやろ
そこから、好きなん選び
オバちゃんからプレゼントや
男:・・・。
レジ:チョコっとラブや
男:・・・。
レジ:オバちゃん、プッチモニに似てるって よう言われるんやで
男:・・・。
レジ:遠慮することあらへん
バレンタインチョコ、どうせ売れ残ったら半額で売るんやし
それにな
おにいちゃん、うちの死んだ旦那に よう似てるねん
オバちゃんから、チョコレートもろてくれるか?
男は黙って俯くと大粒の涙を流した
男:お、俺、、、
こないだ大好きだった恋人にフラれちゃって
ここ 今年の バ、バレンタインは
い 「一緒にチョコレートケーキ作ろうね」って 話してたんすけど
・・・ もぅ いま チョコレートしか 喉を通らなくて
うぅ
レジ:泣いたらええ すきなだけ泣いたら ええ
男:じつは今年、ひとつもチョコもらえなかったら 死のうと思ってたんす
レジ:そうか オバちゃんも死にたくなるぐらいの失恋してきたで
欲しいだけチョコレート持って帰りっ
店長がいいひんうちに持って帰りっ
男:ありがとうございます!
男は深々と頭をさげると チョコレートを抱えきれるだけ持って店を出ていった
こっそり見ていた店長:「チョコで救える命がある。。。」