ナイーブな硝子
狩心

今まで受け入れていたものを弾き飛ばす
でなければ我々の裸体 業火の海に焼こう

星が降る夜だ 何度も月を越えて波は打ち寄せる 浜辺に
横たわる家族や 白く抜き取られた部屋が 空!中!分!解!
そうさ この世界を駆け回る音は いつも内側からやって来る

Zの軌道 とあるバス停に舞い降りた天使
羽の代わりに靴べらを持って かかとを潰さないようにと囁く

機械樹の森は衣服を溶かす 丁寧に縫い上げられていくコスモの泡
巨大な車輪がまな板の上で踊る 祭りの後に煌めく露は
発達した末端神経をなぞる 痺れる

今朝方、途方もない旅をした
空中ブランコに乗って 赤い木の実を探した
入手した困難な切符は 摩擦で破れ
ヒシヒシと頬を寄せ合い 新しい空気に貼り付く

ええい、もう、どうでもいいんだ!
ああ、美しくなっていくカーネーションの花
ゆっくりと腕を切り刻んでいく
飛び降り自殺だ
緊急に会えなく
選択肢で暴走

れっつごーだうん レッツゴーダウン!
スロープを渡ったら明日!
我々の機械樹の葉には 熱せられた摩擦のスープ 劇薬
直腸から這い上がる虫達の呼吸!
慌しく春が舞い落ちる 視神経の中に海を

切断面は綺麗に焼き
留めておけ


自由詩 ナイーブな硝子 Copyright 狩心 2008-02-13 17:28:54
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