言ってしまった言葉は
よしおかさくら

言ってしまった言葉は
私と一緒に辞書を引き、話し、
消えそうになりながらも
風呂の湯気に纏わりつかれて
額にぺたんと落ちてきた
心にもう一度生まれ変わると
頭でっかちのいやらしい私に
奴はなっていた!

髪を乾かしながら
元の言葉を思い出そうと
必死になっても
結局
幾つかのキューティクルを傷つけただけ
しばらくの間、奴は私を嘲笑う
私が奴と同じでいる限り
笑い続ける


自由詩 言ってしまった言葉は Copyright よしおかさくら 2008-02-12 12:28:31
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