植物
小原あき
無言の種がいつの間にか芽を出していた
沈黙を守りながら
ときおり呼吸を整えて
少しずつ葉を増やしていく
色濃くなる葉
物語るのは血潮
忙しく変わる私の騒がしさを
彼らの静けさが中和してゆく
ゆっくり動く彼らは
口を閉じて
それでも確実に生涯を全うしている
私たちが忙しく生きることで
生かし生かされたいと思うことは
そんなに悪いことなのだろうか
自由詩
植物
Copyright
小原あき
2008-02-11 09:28:43
縦