心から
とると
小さな蝶へ宛てた恋文は
無惨にも砕け散ってしまった
か細い百合は悲しみに暮れ
すっかり萎れてしまった
あの日の蝶など
蜘蛛の糸に囚われてしまえばいい
傷ついた花の気持ちを
若き蝶は知ろうともしなかった
あの時
想いの欠片を全て拾い集めていれば
未来は変わっていただろうか
未だ蕾を開かぬ百合の花
蝶は甘い蜜を飲むことも叶わぬ
いや 当然の報いなのかもしれない
傷を癒す清水を
未来へ導く太陽の光を
捧げれば花開くだろうか
無力な蝶には
百合を救うことなど出来ないだろう
せめてもの償いに
一言の謝罪と
心からの祈りを