心から
とると

小さな蝶へ宛てた恋文は

無惨にも砕け散ってしまった

か細い百合は悲しみに暮れ
すっかり萎れてしまった

あの日の蝶など
蜘蛛の糸に囚われてしまえばいい

傷ついた花の気持ちを
若き蝶は知ろうともしなかった

あの時
想いの欠片を全て拾い集めていれば
未来は変わっていただろうか

未だ蕾を開かぬ百合の花
蝶は甘い蜜を飲むことも叶わぬ

いや 当然の報いなのかもしれない


傷を癒す清水を

未来へ導く太陽の光を

捧げれば花開くだろうか


無力な蝶には
百合を救うことなど出来ないだろう

せめてもの償いに

一言の謝罪と
心からの祈りを


自由詩 心から Copyright とると 2008-02-11 01:16:53
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