都会の雪
亜樹

都会の空に降る雪は
灰に似ている

熱かったものが冷めたあとは
元から冷たかったものとは
比べようもないほど
さみしい

なんにでもなれたんだと思う
(大人が入れるほどのかまくらをこさえた日)
なんだってできたんだと思う
(雪合戦をして泣かされた日)

そんな不確定な可能性におどらされたまま
なんにもなれなかった
雨に混じって降る雪は
アスファルトの色を透かして
あっと言う間に溶けていった


自由詩 都会の雪 Copyright 亜樹 2008-02-10 23:54:53
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