松本 卓也

日の当たらない屋上で
ぷかぷかと煙をふかす
何も考えたくないけれど
よぎるのは同じ事ばかり

この前誰かに問われた
何の為に誰の為に
苦笑してやり過ごす位しか
誤魔化す術も思いつかない

冬風に肌から水分が奪われ
背中が酷く痒いのだけれど
昔届いていたはずの場所に
まるで届かなくなっていた

待ちわびている訳でもなく
追いかけている訳でもなく
ただただ机に向かい頭を抱え
やるべき事だけが増えていく

或る日屋上の端で
朽ちた木の葉の塊に
雑草が生えかけていた

日が当たらなくても
雨に濡れなくても
生まれる事はできる
生き続ける事もできる

多大に望まれる事も無く
過大に望む事も無く
美しい花を咲かせなくとも
遠くに種を飛ばさなくても

見つからなくとも
見つけられなくとも
ただ風に吹かれ靡き
生きれるだけ生きて

そしてやがて


自由詩Copyright 松本 卓也 2008-02-08 01:13:28
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