「サニー」
菊尾
血管の透けた腕で宙を掻く
昼だって夜だって迷子のままで
叫び疲れて後はもう誰かの掃除を待つだけ
そいつに頭が均されても別になんとも思わない
白けた夢の端っこで小人が踊っている
あんたの想像は空想のままだから現実には通らないよ
出尽くした答えをなぞるだけで身にならない
気付けば宵闇の中でまどろんでいる
思想のあるフリしてだらしなく跨るばかり
装った何者かに捉われて中身はもぬけの殻に
どうしようもないぐらい喰われちまっているから
気付かないフリも止めたらいいよ
述べる現状をどう思う
散っていくその様を見過すことができないみたい
嘘くさい優しさだと君は疑う
ただ悩むことに飽きたんだ
そんなところは出た方がいい
引きずり込むつもりはないけれど
引きずり出すつもりはあるらしい
だから早くここに来て
いつもみたいに笑いなよ
手は握らずに
腕を掴むから
もう、時間だよ