「サニー」
菊尾

血管の透けた腕で宙を掻く
昼だって夜だって迷子のままで
叫び疲れて後はもう誰かの掃除を待つだけ
そいつに頭が均されても別になんとも思わない

白けた夢の端っこで小人が踊っている
あんたの想像は空想のままだから現実には通らないよ
出尽くした答えをなぞるだけで身にならない
気付けば宵闇の中でまどろんでいる


思想のあるフリしてだらしなく跨るばかり
装った何者かに捉われて中身はもぬけの殻に
どうしようもないぐらい喰われちまっているから
気付かないフリも止めたらいいよ

述べる現状をどう思う
散っていくその様を見過すことができないみたい
嘘くさい優しさだと君は疑う
ただ悩むことに飽きたんだ

そんなところは出た方がいい
引きずり込むつもりはないけれど
引きずり出すつもりはあるらしい
だから早くここに来て
いつもみたいに笑いなよ


手は握らずに
腕を掴むから
もう、時間だよ


自由詩 「サニー」 Copyright 菊尾 2008-02-06 17:43:35
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