feel so girlish
あすくれかおす
飴色に焼けた天蓋を
仰向けに受け止めながら
知らない街の飛行機の音を
北から南へ 見送っている
ぬくもりを受けた道草に
逆さまに外套を着せるように
夜露はゆっくりと
私を囲んで生まれていく
私が息継ぎもできず
意識していた日々に
実は絶え間があったこと
私が幻想だと
忘れ去った日々の裏側に
実は絶え間がないこと
その真実を
ようやく知った
私はいま 気分がいい
次にやってくる
小夜が晴れるなら
貴方を此処に
誘ってみましょうか
貴方が瞬いた回数だけ
星が降り撒かれる
そして一仕事終えたら
もういちど この
変哲ないベンチに腰掛けましょう
月の下で 藍の丘の
みなぎる穂の群れを泳いで
此処に辿り着けば
おそらく
確信はないのですが
おーらら らららいと
二人の間に凪がれた
淡くてはにかんだ
たわいない悪戯や
分別のある
シンコペーションみたいな
優しげな
嘘つきな気まぐれは
口笛と一緒に
還ってしまうだろう
きっと何処かの
真っ白な雲の中に
いま 今ですか
今は その夜に向って
黄昏と反比例した
貴方の夏っこい笑顔
訪ねようか
どうしようか
今はそんなこと
考えてるところ
貴方がそこで
待っていることに
あんまり
自信はないのですが
だから きっと
焦れた夕立が来る前に
つかまえに
いくんです