蒼い夕暮れ
ゆうさく

ゆうぐれどき
止まったままの時計が、
動き出しそうで、こわくなって
抱きしめたまま
走ってゆくことにした
聞こえぬ雨の叫びのなか、
微かなグランドベージュ、
かろやかに、

短針の残した影を
憎たらしいくらい
風が軽く、
吹き飛ばした

夕闇が、
夏に忘れた入道雲を
慰めてくれているけれど、
とりあえず死んでほしい
うつくしいから

誰かがふくらませた、
雨の核(かく)
僕は耐えられなくて、
蒼の吐血

白目むいた人間ども
奇声を発しながら
みんなで抱きしめあっている
腐れた世界に僕は
苦し紛れのアイラブユーを
投げつける

雲が、
哀しい顔で
砕けていった


自由詩 蒼い夕暮れ Copyright ゆうさく 2008-02-05 20:41:23
notebook Home