残響の鳴り止まない、あらゆる季節とその日々の中で/2
rabbitfighter

いつも誰かが口笛を吹いている
長い廊下に響き渡る
外は晴れ
青空には適度に雲が浮かぶ

見たくも無いものばかり目に入ってしまう
聞きたくも無い音ばかり耳に入ってしまう
外は晴れ
青空には適度に雲があるほうがいい

祈りは終に届かない
何度でも言うよ
祈りは終に届かない
雲ひとつ無い空に吸い込まれるまま
やがて薄れていく
なんて青空だろう
今日は

冷たい御影石のベンチに寝転んでいると
身体の熱が吸い取られているようで寒い
君のために巻いた煙草に火をつける
そのまま−寝転んだまま
肺に充ちた煙を吐き出した
もしも魂を信じるなら
魂の存在を信じるなら
君の魂はそんなふうであって欲しい
吸い込むたびに赤く燃える煙草の
僕の肺に充ちた煙のようであって欲しい
空高く上って
雲になるよ
白い雲になるよ

祈りの言葉を繰り返し聞いている
あらゆる言語と
宗教を超えて
時代を駆け抜ける祈りの言葉を

いつも誰かが祈っている
長い廊下に響き渡る
祈りが終に届かないとしても
その口笛はけして絶えることなく

だけど魂は空へ
もう一本煙草を巻こうか


自由詩 残響の鳴り止まない、あらゆる季節とその日々の中で/2 Copyright rabbitfighter 2008-02-05 03:04:01
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