ワールズエンド
シギ

動くことのない世界でありますように
そう願って魔法をかけた

君が泣かずにすむ世界でありますように
そう望んで背伸びして手を伸ばした

すべてが壊れないように不器用な優しい手で
拒絶を知らない手で君は撫でてみせるから
君に触れさせないよう
僕は汚れた心に鍵をかけた

涙を流す心を無視して笑って
世界を優しく包む君を守りたくて
泣いて縋って叫ぶ君の姿を求めた
相反する心
いつか溶けてひとつになるのかな

ずるりとした定まらない足下を
君は揺るがないシルエットで
まっすぐに歩いてみせるけど
解ってる 解ってるんだ
その揺るぎなさの理由
僕が忘れられない君の表情を

動くことのない世界でありますように
そう願って魔法をかけた

君が泣かずにすむ世界でありますように
そう望んで背伸びして手を伸ばした

嘘で固めてしまった心
嘘に少しずつ織り交ぜられた本音
相反する感情
いつか溶けてひとつになるのかな


自由詩 ワールズエンド Copyright シギ 2008-02-04 13:47:04
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