いらない
瓜田タカヤ

日常。

私の航海は5人。
家族が5人、でぼくは生きている。

暗闇に
白い一本のラインが見える。
それは
隙間からこぼれる光だ。

こぼれる光しか、
光と認識しない脳のシステムだ。

脳のシステムなんて言い方ちょっと寂しいのかも知れないけれど
溢れる光の束でなければ、それだと気づかない
日常が目の前に広がっているのだ。



金も
命も


いらない。

例えば
脳が
欲求しているのは

一瞬の
こぼれ落ちる

水滴のような
精神のような

まぶしい光の

瞬間なのだ。

航海はいつも暗闇ばかりだけど
瞳を
剥き出しの
命のてのひらで覆うと
光がこぼれるのだ。


自由詩 いらない Copyright 瓜田タカヤ 2008-02-04 04:18:55
notebook Home 戻る