剥がす
プテラノドン

用水路に横たわる犬の死体に、
石を投げ付ける子供らー
そりゃないよ!

すべては無人の空模様。
音もなく、夕日を滑る飛行機雲。
部屋の中で、かちかちのバナナみたいに凍った
雑誌や、写真の数々。
聞こえているのは、
一階で回る換気扇と、子供部屋で母親が、
机に貼られたシールを剥がす音。

ー剥がされたシールの行方は知らないが、
何度だって僕は貼りなおせる。


自由詩 剥がす Copyright プテラノドン 2008-02-03 12:28:32
notebook Home