あいさつ 
服部 剛

七日前 
自ら世を去った 
友を思う深夜の部屋  

( ふいに見上げた古時計 
( いつのまに止まった秒針は震えながら 
( 永遠の音を刻む      

明日もぼくは 
職場の老人ホームにて 
集まる地域のおとしよりに 
きゅうすの口から湯のみへと 
緑のお茶をそそぐだろう 

かけがえのない友の死を 
知らないふりの表情で 

( いつのまに 
( 今日の日を刻み始めた
( 古時計の秒針 

杖をついて 
こちらにゆっくり歩いてくる
猫背のひとに目を合わせ 
いつもの言葉をいうだろう 


おはよう 








自由詩 あいさつ  Copyright 服部 剛 2008-02-03 03:02:41
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