ねじ
草野春心
あなたがねじを巻く
ぼくが歩いてゆく
あなたが茶を沸かす
ぼくが独り言をもらす
あなたが哀しんで……
ぼくはなにも言えない
窓から差し込む西日と
どうにもできない柔らかな空気
ぼくもまたねじを巻き
そっとあなたの背中をおす
日々はこうして微かに動き
ぼくらがその陰に息づく
自由詩
ねじ
Copyright
草野春心
2008-02-03 00:53:47
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