盗賊
AB(なかほど)
田舎郊外の空き地に
パチンコ屋が建った
また建った
今度はフィットネスが建った
あそこにも建った
葦の原には
ヨットハーバーもできるって
もう
石拾いをする洟垂れ小僧も
しろつめくさのりんごちゃんも
いらない国なんだってさ
どこまでも続きそうなきれいな道路を走る
どこまでも続くわけもないないことを知っている
子供達が窓に額を押し付けることもなくなる
そうしているうちに
昼でも夜でも
消えていくものがある
fromAB
自由詩
盗賊
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AB(なかほど)
2008-01-31 12:57:19