自転車に二人乗りをして
beebee




涙の訳を話そうか?
遠いアスファルトの向こうに陽炎が立って、
手に持ったコーラの缶が冷たかった。
自転車がスピードを上げると
肩に身体がぶつかって、
危うい均衡ににのうでを突っ張っていた。
あんまりゆらしたら倒れそうだよ。
髪の毛のにおいが
白っぽいホコリのにおいがした。
君がぼくの肩に顎を乗せて
コーラを飲んだら、
突然涙で前が滲んだんだ。
さようなら
さようなら、今の自分。
さようなら、すべての夏の思い出。
同じ日常がやってくるのが分らなかった。
明日も同じ自分でいるはずがなかった。
明日も同じあなたでいるはずがなかった。
坂道は電線と一緒にゆれた。
くるくるまわるよ。
くるくるまわっていくんだよ。
 


自由詩 自転車に二人乗りをして Copyright beebee 2008-01-30 23:31:21
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