影遊び
麒麟
特に取り柄もない私でも
唯一確実に操れる
彼の自動を奪って
私と正反対の動きをさせることが出来る
右手を上げると左手をあげ
後ろに下がると前へ進む
私が見ていないと
何をしているかは知らない
反転する魔法は、誰でも知っていること。
時計の針すべてが12を指し
太陽が真上に昇る頃
地面で彼の両手と合わせ
目をつむる
すると、体の感覚は奪われ
彼と逆の動きしかできなくなる
真下に月が昇るまで
時計は壊れることがある。
意図的に壊す彼もいる。
反転した世界
彼の気がすむまで
踊り続けなきゃいけない
うまく踊り続けなきゃいけない
特に取り柄のない彼でも
唯一確実に操れる
私の自動を奪って
彼と正反対の動きをさせることができる