sax
茶釜
興醒めした夜のひび割れから
奴の鎮魂歌が聞こえる
よせやい
まだ早いぜ
ただ夜に紛れて
お前の様に美しく拗ねて見たかっただけさ
世間の事なんか何も知っちゃいないで
独り口笛吹いて
腹膨らませてたら
このざまさ
このざまさ
苦いものにはシュガー
苦くないものにもシュガー
まるで瓶詰めチェリーの様に
ただ甘ったるいだけの
になっちまった
時代って奴は
いつか一緒に腹減らしたり
震えながら安い酒を食らって
長い夜を越えたはずなのに
次に逢ったときは
まるで別人だ
お互い様だが
随分こっちの分が悪い
そりゃないぜ
なんてね
心配しなさんな
運が良けりゃまた後から
急行列車かなんかで
追いつくこともあっから
あの頃に
なんだろ
あんだけ聞き慣れていた筈の
そのライトナンバーが
今夜はなんだか
やけに重たい